新潟の特産品といって思いつくものと言えば、「酒」「米」、さらにお土産と言えば、「笹団子」はかなり定番のうちに入るだろう。
その江口だんごと言うお店は長岡にある。
実はこの店に行ったのは今回で二度目。
最初に行ったのはコロナ禍のぎりぎり前、2019年の秋だった。
その年、新潟、柏崎の親類を訪れた帰り、「この辺で、笹団子を買って帰るにはどこがいいかな」と聞くと、
「そうせや長岡の”江口だんご”らて。」
と新潟弁で教えてくれた。
聞くと、江口だんご本店は柏崎から関越自動車道の長岡インターに行く途中にあるというので、寄ることにした。
立派な店構えで、お団子屋さんというより、料亭のようだ。
中にはいると、雰囲気のあるアンティークのピアノと、その横に、品のよさそうな年配の男性が一人。
聞くとここの社長さんだそうだ。
自分は楽器をやらないが、音楽に対するあこがれのようなものから、このピアノを買ったんだそうだ。
「ピアノ、やられるんですか? もしよかったらどうぞ、弾いてみてください」
そういわれて一曲ひかせてもらった。
「C.C.RIDER」を弾いた。
よもやお団子屋さんでこんなに素晴らしいピアノにであえるとは。
あれから4年。
やっとコロナが落ち着き、またあのお店を訪れた。
社長さんの後ろ姿を見かけた。
あの時より少しお年を召したようだが、お元気そうだった。
仕立ての良いスーツをパリッときて、ステッキを持って店から出るところだった。
ピアノもあの時と同じ場所にあった。
背の低いピアノで、象牙の鍵盤、浅いタッチ。
私が行ったとき、女性の方がピアノを弾いていた。
声をかけると、その方はお店の方だそうで、1曲ひかせてもらっても良いかと声をかけると、快く応じてくれた。
今回は「Bourbon Street Parade」を弾いた。
やっぱり、いい音だ。
古くて、ニューオリンズピアノにぴったりの硬い、乾いた音がする。
お近くに行ったら是非立ち寄ってほしい。
お団子を買って店を後にした。
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